東山漢方薬局

漢方薬の選び方

確実な効果が期待できる漢方薬を選ぶには、まず漢方診断が必要です。病名や病状だけで選ぶと、無効であったり、かえって悪化させてしまうこともあります。

西洋薬は、病名が判ればほぼ使う薬が決まってきます。
漢方薬は、病名は一応参考にしますが、主には漢方独特の手順(漢方診断)をふまないと処方は決まりません。

〔望診〕 患者さんの顔色、肌の状態、動作、舌の状態を診る
〔聞診〕 咳、呼吸の音、しゃべり方、口臭、体臭など
〔問診〕 患者さんの話、訴えを聞く
〔切診〕 脈、腹部の状態、その他からだの状態を触診

上記四種の診断(四診)によって得られた情報を検討し、患者さんに最も適した処方の選択をします。病気の起こっている場所、正気(病気に対する抵抗力)の強弱、病邪の性質などを判断し、下記の組み合わせから病状の分析を行ないます。(これを「」といいます)

表 ― 裏 病気のある場所の深い浅い
寒 ― 熱 患者さんの症状
虚 ― 実 正気と病邪の強弱・盛衰の関係
陰 ― 陽 すべての情報を統括したもので、疾病の病理的変化

」が同じならば、呼吸器の病気でも消化器の病気でも同じ処方を使うことがあります。
漢方薬で「まったく効かなかった」とか「かえって悪化した」「副作用が出た」というのは、この漢方診断が正しく行なわれていなかったことになります。

@ 2011年10月1日11:47 AM